遺産分割に関する新たなルールの導入(令和5年4月1日施行)
2022-07-20
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令和5年4月1日施行で、遺産分割のルールが一部変更となります。

今のルールでは、遺産分割をする際には、法律で定められた相続分(法定相続分、例えば夫が死亡した際、妻が2分の1,子供が2分の1,など)を基礎としつつ、個別の事情(例えば、特別受益となるような生前贈与を受けていた、寄与分となるような療養看護等の特別の寄与をした)を考慮した具体的相続分を算定することがあり、とくに、遺産分割調停や訴訟を利用する際には、これら具体的相続分を主張することがあります。
しかし、長期間を経過するうちに、具体的相続分に関する証拠がなくなってしまい、遺産分割が難しくなるという問題がありました。

そこで、来年4月1日からは、相続開始(被相続人死亡)時から10年を経過した場合にする遺産分割は、具体的相続分ではなく、法定相続分によることになるというルール変更がされることになりました。

しかし遺産分割協議自体に期限が定められたわけではなく、10年経過しても遺産分割協議をすることは可能です。
10年経過し、法定相続分等による分割を求めることができるにもかかわらず、相続人全員が具体的相続分による遺産分割をすることに合意したケースでは、具体的相続分による遺産分割も可能です。

家庭裁判所に遺産分割請求し、特別受益や寄与分の主張を考える場合には、早めの対処が必要になる、ということになります。